野口英世に学ぶ

地域医療
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かなぞう

そういえば医療関係者なのに医療ネタ全然話してなかったね👀

こもとふ

良い機会だから、この間行った博物館の話をしてみよっか!

かなぞう

それはいい考え!

先日のシルバーウィーク連休は福島県猪苗代町に避暑旅行に行ってきました。
猪苗代は別荘地として有名ですが、野口英世(幼少名:清作)の生まれ故郷でもあります。

こもとふ

ところで、野口英世ってどんな人物かご存じ?

かなぞう

囲炉裏でやけどして医者を目指した人?1000円札のおじさん?

こもとふ

認識ゆるい笑

日本の偉人としてトップクラスの知名度を誇る野口さんは、開国したばかりの明治日本から国際的に活躍した医学者の一人ですね。
同年代では北里柴三郎(破傷風とその予防、慶應大医学部を設立)、鈴木梅太郎(ビタミンB1を発見し脚気を予防)、長井長義(日本近代薬学の父。麻薬性鎮咳薬エフェドリンの発見)らがいます。

かなぞう

わたし薬剤師なのに長井先生のこと知らんかった。何で野口さんだけすごい有名なの?

こもとふ

実は医学的な重要度の面でもお三方の方が・・・ゴホゴホ。
やはりハンデがありながら、東北の地方農家から努力の末に大成した、というストーリーが強いのでしょう。

幼少で左手を大火傷、指が癒着してしまって農作業ができなくなったので学問を志した、という生い立ちは有名ですね。記念館は野口さんの生家を文化財として保護するように建てられていました。


火傷を負った囲炉裏や、医師を目指して上京する覚悟を掘った柱の文字も実際に見ることができました。

逆光で見づらいですが、ハイハイでいろりに向かう清作君のシルエットが。。。
かなぞう

ここが実際の場所なんだ〜と感慨深かった!子どもたちは昔の家を見るのが初めてだったので、凄く興味深そうだったね。

こもとふ

築200年の一般民家って、ほぼ残ってないもんね。地主さんレベルの豪邸は古民家として見かけるけど。

生家を見学した後は、野口さんの人生を追体験できる記念館へ。
非常に充実した展示内容で、魅せ方も素晴らしく単一テーマの博物館として出色でした。

直筆実験ノート。几帳面な性格が伺えます
生前を模した英世ロボと業績など。

地方の貧しい出の野口さんがどのように医師になり、高額な留学費用を工面したのかということや、
梅毒の研究と原因菌の形態分類という今に残る業績、
開発した黄熱病ワクチンが南米では有効なのにアフリカでは無効だったわけ(そもそも地域間で異なる病気だった)などなど、興味深い展示が盛りだくさんでした。

かなぞう

ところで英世さん記念館もよかったけど、セットで入れる感染症ミュージアムもすごかったのでこっちはわたし解説したい!

感染症診療の歴史は中々暗黒で、例えば…

Wikiより

これ誰だか分かります?これは「ペスト」という病気が流行した時の医師の服装なんです。
布マスクがなかった時代はこんな服装だったんですね。

こもとふ

ペスト医師はクチバシマスクにハーブとか詰めて感染予防してたみたいだけど、原因となる微生物の発見は17世紀だし、有効な治療法もないから相当危険な仕事だったみたいだね。

かなぞう

細菌やウイルスが原因で引き起こされる病気があるって分かったのもここ100年ぐらいのことなんだよね~なんとも感慨深い。

この博物館には、感染症で功績をあげた人たちも紹介されているのですが、今は色々なことも分かってきているし、機械化も進んでいて研究で新しいことを見つけるのも難しいんですよね。

病気の治療も情報化の時代

スーパーコンピュータで遺伝子解析とかが必要なので、昔のように根性で何とかやるぞっていう力業が通用しなくなってきているのも事実。先人たちの教えを学びながらちょっと工夫して研究を進めていくのが必要そうです。 ってことで父ちゃん研究頑張って!!

どぅーちゃん

とーちゃん がんばり!おめめ?

こもとふ

大学院の基礎研究もほぼパソコンで解析作業だからね。おいおい紹介してみようかな。お目々痛くなるけど頑張ります。

追記)野口氏の業績については、ちょっと持ち上げ気味な伝記の本よりも、海外の文献が参考になります。https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4293967/など(英文)。野口氏が次第に周りを顧みず、危険な実験操作を行うようになっていったのは、神経梅毒に罹患していたのではないかといった考察が興味深いです。

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